【プロが教える遺品整理のやり方】いつ行う?供養は必要?自分で行う方法
2023.01.11
遺品整理
「家族が亡くなって、部屋を整理しなければならないので遺品整理をしなければならなくなってしまった…でも、遺品整理といってもどうすれば良い?自分達でできるもの?」「遺品整理はどのタイミングで行えば良いの?」このようにお悩みの方は少なくありません。
また、遺品整理を業者に依頼すると一定以上の費用がかかりますので、自分たちで遺品整理を行えないかと考える方も多いでしょう。そこで今回は『個人で遺品整理を行う方法』を解説します!
本記事は、業界歴20年以上の遺品整理のプロが監修しています。効率よく遺品整理を進める方法や、プロならではの実践的な進め方・アドバイスをご紹介しましょう。
遺品整理にお悩みの方は、ぜひ最後まで本記事をお読みください。
遺品整理はいつ行うのが良い?
まず初めに、遺品整理を行うタイミングはいつでも大丈夫です。
急を要さなければ基本的に好きなタイミングで行っていただけるので『四十九日が済んでから行うのが良い』というルールなども特にありません。
遅かれ早かれ、いずれは遺品整理を行わなければならないタイミングがきます。
例えば、故人が住んでいた物件が賃貸であれば近いうちに引き払わなければならなくなるでしょう。
遺産相続の問題で早期に遺品整理をしなければならなくなることもありますが、遺族の落ち着いた頃合いで遺品整理を始めるのが一般的です。
自分たちで遺品整理をするメリットとデメリット
親族や家族の中で遺品整理を行うメリットとデメリットは次の通りです。
一見デメリットが多いですが、ケースバイケースなので全ての現場で該当するわけではありません。目安程度にお考えください。
▼メリット
- 遺品整理の費用が抑えられる
- 遺族の気持ちの整理になる
▼デメリット
- 場合によっては膨大な時間が必要になる
- 遠方に住んでいると物理的に難しい
- ある程度の費用がかかる
- 大切なものを誤って処分してしまう
- 近所の方とトラブルになる
それぞれを詳しく解説していきましょう。
メリット
自分たちで遺品整理を行うメリットは、まず第一に業者に依頼するとかかる遺品整理の費用を抑えられることです。
お住まいの地域や遺品の量にもよりますが、10万円~数100万円かかるかもしれない遺品整理の費用を最小限に抑えられるのは、かなり大きなメリットといえるでしょう。
しかし注意が必要なのは、たとえ自分たちで遺品整理を行ったとしても、かかる費用を0にするのは不可能だということです。大型家具の遺品は廃棄するなら粗大ゴミに出す費用が必要になりますし、大型家電はリサイクル費用が必要になります。
また、自治体によっては一度に出すゴミの量に制限がある場合がありますので、ごみ処理場に自分で運び込まなければならないケースもあります。ある程度の費用は必要になることを念頭に置いておきましょう。
もう一点、故人が大切にしていたものを自分たちで整理できる点も自分たちで遺品整理をするメリットの一つです。故人を偲びながら遺品整理することで、気持ちの整理にもつながるでしょう。
デメリット
多くの場合、遺品整理はとにかく時間がかかります。故人と別居していた場合や遠方に住んでいた場合は尚更で、遺品整理に割く時間が少なく、物理的に自分たちで遺品整理を行うのが難しい場合があります。
また、故人と別居していた場合は、遺品整理が故人のプライバシーに踏み込むことにもなりますので、ある程度事前に心構えをする必要があります。故人によっては親族に遺品を片付けられるのを望まれていないケースもありますので注意が必要です。
事前に故人から遺品整理の意向を聞いている場合は、可能な限り意向に沿って遺品整理を進めると良いでしょう。
プロが教える!自分たち(家族・親族)で遺品整理を行うやり方
自分たちで遺品整理を行う場合、とにかく根気強く行う必要があります。長ければ数ヶ月に及ぶこともありますので、事前準備や段取りをしっかりしてから遺品整理を行うのがスムーズに終わらせる鍵です。
そこで、次は
- 遺品整理に必要なもの
- 具体的なステップ
をご紹介しましょう。
故人と同居していた場合は空いている時間に少しずつ遺品整理を進めることができますが、別居している場合は何日かに分けて遺品整理を行うことになるでしょう。時には何度も足を運びながら、少しずつ遺品を整理していく必要があります。
遺品整理の際用意すると良いもの
遺品整理を行う際は、次のリストのものを用意しておくとスムーズです。
下記リスト内のものは大体家にあることが多いので、すでにお持ちの場合は新たに買う必要はありません。
- 軍手(ゴム貼りのもの)
- マジック(赤・黒)
- 台車(マンション・団地などでエレベーターを使用するなら必須)
- 養生テープ、ふせん(貼り付けられるメモのようなもの)
- 工具(ドライバー±、六角レンチ、ニッパー、モンキースパナ2個、バール、缶切りやコルク抜き)
軍手は必ずゴム貼りのものを選びましょう。予備も用意しておくと良いですね。
また、マジックは必須で、可能であれば赤と黒の2色を用意します。
故人がマンションや団地に住んでいた場合は、遺品や不要品(ゴミ)の持ち出しに台車が必須となります。
養生テープやふせんは遺品整理をする際目印にするために、工具は家具の解体などに使用します。(古い家具は解体できないことがほとんどですが)
ちなみに、ロープなどは遺品整理で使いそうですが、実際には出番がありませんので不要です。
遺品整理のやり方
それでは続いて、遺品整理のやり方を解説します!
貴重品を探したいのか、費用をかけずにとにかく片付けたいのか等さまざまな事情により優先順位は変わってきますが、今回はオーソドックスな遺品整理の手順をご紹介しましょう。
ちなみに、遺産相続で多数の親族が絡んでくる場合は要注意。誰がどこまで何を整理するかなどを決めておかないと、後で「大切なものを捨てられた」「遺品を先に持って行ったのでは」等とトラブルになるケースもあります。
ステップ①必要なものと不要なものを分ける
まずは必要なものと不要なものを分けましょう。
必要なものと不要なものを分けてから、遺品の分配や不要品の廃棄を行うことでスムーズに遺品整理を進めることができます。
収納や押し入れ、タンス内を確認し、養生テープを短く切って貼り付け『済』『不要』など記載して目印にしたり、『リサイクル業者』『●●持ち帰る』など、ひと目見て必要なものなのか、不要なものなのか判断できるようにするのです。
細かいものの仕分けについては付箋を活用しながら、淡々と必要なものと不要なものを分けていきましょう。大体のものを分けてしまうことで、効率よく不用品を廃棄することが可能です。
ちなみに、遺品整理の時ついつい「もったいない」という気持ちが働いて、特に必要なものではないのに残してしまって一向に遺品整理が進まない…ということは往々にして起こり得ます。
必要なものと不要なものを分け切る自信がない場合は、業者に依頼してしまった方が手っ取り早いかもしれません。
ステップ②不要品を廃棄する
次は、ステップ①で分けた不要品を廃棄しましょう。
自分たちで遺品整理をする場合、不要品(ゴミ)の処理は基本的には次の2通りになります。
- ゴミの日に出す
- 地域のゴミ処理場に持ち込む
普段の生活で出るゴミを分別してゴミの日に出すように、遺品整理で出たゴミも自治体のルールに則って細かく分別しゴミの日に出すか、自治体のゴミ処理場に持ち込むしか方法はありません。(自治体の処理場が家庭ゴミの持ち込みを許可しているかは事前に確認が必要)
自治体のゴミ処理場に持ち込むことを想定しているなら、ゴミを出す日に軽トラックを借りてきて一度で捨て切れるようにすると、何度も現場とゴミ処理場を往復する手間が省けます。
別居の場合は特に何度も遺品整理のために来ることが難しくなるため、一度に処分してしまうことをおすすめします。
また、不要品廃棄の際の注意事項として、テレビやエアコン、冷蔵庫、洗濯機などのリサイクル家電は業者に引き取りを依頼する必要がありますので事前に手配が必要です。
物によっては買取業者に買取をお願いすることも可能です。
リユースできる買取品は、当社だと下記のものが該当します。
▼当社で買取可能な遺品
- メガネ
- 香水・コスメ(1/3以上残っていれば買取OK)
- 腕時計・アクセサリーなどの貴金属(動作不可でもOK)
- ネクタイ・スカーフ
- おもちゃ・ぬいぐるみ(日本人形はNG)
- 文房具(消耗品は新品のみ)
- スプーンやフォークなどのシルバー類
- アンプ・オーディオ
- ピアノ・楽器
- CD・DVD・レコード
上記はあくまでも一例で、他にも買取可能なものがあります。不要品を全て廃棄してしまう前に、一度業者に買取の査定を出してみると良いでしょう。
破損や汚れの状態で買取金額が変動してくるので、複数社見積もりをとってみるのもおすすめです。
ステップ③遺品の分配
不要品が片付いたら、遺品の分配を行いましょう。
ここで注意が必要なのは、遺品の分配をする際は相続権のある人を全員集めることです。相続人が欠けている場で価値の高い遺品の分配を行うと、相続人同士でトラブルになることがあるのです。
遺品整理中に分配をするのではなく、不要品は全て処分してすっきりさせた状態で分配すると良いでしょう。※必須ではありませんが、トラブル回避のためにおすすめです。
供養は必要?遺品整理で出てきた処分に困るものの対処
遺品整理の中で、故人が大切にしていたお仏壇やお守り、お雛様などの人形が出てくることがあります。そのまま廃棄するのはあまりにもしのびないので、「供養した方が良いのでしょうか」とお問い合わせいただくことは多いです。
しかしこれらは全て、処分する前の供養は必要ありません。「供養したい」と思う気持ちがあれば別ですが、基本的には供養せずに廃棄しても問題ありません。供養した方がご自身の気持ちがすっきりする、気持ちの整理がつけやすいなどの場合は、お寺さんなどに依頼をして供養してもらうと良いでしょう。
あくまで遺族の方の気持ちの問題ですので『どちらでも好きな方を』というのが遺品整理を長年手がけている私たちの考えです。
物が多すぎて遺品整理ができないときは
故人によっては、膨大な量の遺品をお持ちのケースがあります。時には生活ゴミだらけのこともあるでしょう。
物が多すぎてどこから手をつけたら良いかわからない場合や忙しく遺品整理に時間を割けない場合、ゴミが多く自分たちで整理するのが難しい場合は、業者に依頼してしまう方がスムーズです。
現場にもよりますが大体1日~長くても数日で遺品整理が完了するので、自分たちで行うよりも時間のロスが少なくなります。
また、遺族同士で“誰が遺品整理を行うのか“で揉めるケースもありますので、業者に依頼して一度に終わらせてしまった方が後腐れなく終わるでしょう。
状況に応じて自分たちでできそうなところまで遺品整理を進めてから業者に依頼する…というのもおすすめです。