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ゴミ屋敷問題を行政に頼るとどうなる?強制撤去の費用は?氏名が公表される?

2022.12.11

ゴミ屋敷片づけ

社会問題にもなっているゴミ屋敷問題。近隣トラブルや環境にも悪影響を及ぼす可能性があり自治体が行政代執行で片付けるケースも少なくありません。

行政が介入することでゴミ屋敷問題が完全に決着がつくのでしょうか。自分自身が納得してゴミを片付けたいと相談したのなら決着もつくと思われますが、行政代執行で片付けられたとしても、またゴミを溜めれば以前の状態に戻る可能性も高いでしょう。また、近隣トラブルの解決になるとも限らないのです。

今回は、ゴミ屋敷問題を行政に頼るとどうなるのか、行政の対応、行政代執行(ゴミの強制撤去)が執行された場合どうなるのか? 条例が制定されていない場合はどのような対応をしたらいいのかお届けします。

ゴミ屋敷を取り締まる法律はない

法律

社会問題化しているゴミ屋敷は、近隣トラブルだけでなく公衆衛生や防災・防犯の面でも多くの人に不安を与えてしまいます。一般的な良し悪しで言えば「悪い」の部類に入ると思われます。

しかし、ゴミ屋敷は犯罪ではありません。ゴミ屋敷を取り締まる直接的な法律は整備されておらず、誰がみてもゴミと思うものにでも所有権があります。例えばあきらかにゴミと分かるものでも、ゴミ屋敷の住民が「我が家の財産です」と主張してしまえば、国が強制的に撤去することは不可能なのです。無理やり撤去しようとすると財産権を侵害したとして逆に法律で罰せられてしまう可能性があります。

また、法律が制定されていないので警察も介入できません。ゴミ屋敷問題は民事事件に該当するので、民事不介入の警察は介入することができません。どうすることもできないの? と思われるのですが、大きな悪影響を与えてしまうゴミ屋敷を放置するということもできませんよね。

行政によるゴミ屋敷条例の制定

地域住民からの強い要望もあり、2013年東京都足立区が『足立区生活環境の保全に関する条例』という名称で全国初のゴミ屋敷に関する条例を制定しました。『ゴミ屋敷条例(通称)』といって行政が自治会ごとにゴミ屋敷に対し指導や強制撤去を行える条例です。

足立区では、ゴミ屋敷を「ごみや樹木などにより、周辺住民の健康を害し、生活環境に悪影響を与える状態」と定義しました。この条例を発端にその後、全国の自治体で急速にゴミ屋敷に関する条例が制定されています。(条例が制定されていない自治体もあります)

ゴミ屋敷条例(通称)の流れ

ゴミ屋敷に困っている近隣の人が自治体に相談の申し出に行くことから始まります。申し出を受けた自治体は立ち入り調査などを行い、現場の状態を確認します。調査の結果、改善の必要があれば、ゴミ屋敷住人に対し助言・指導勧告を行います。それでも、改善されない場合はゴミを片付けるよう命令が下されます。その命令を無視している状態が続くと最終的に行政代執行が実行されます。

行政代執行とは、ゴミ屋敷の住人に代わって行政が改善に向けた取り組みを強制的に実行することです。ゴミ屋敷でいえば、ゴミの強制撤去となります。もちろん、行政代執行はある日突然行われる訳ではありません。調査→助言・指導→勧告→命令など何度も改善を要求したのにも関わらず対応しない、無視し続けた結果として行政代執行は実行されます。

行政代執行が行われると…

メリットはゴミが片付くという1点です。デメリットの方が遥かに大きいといえるでしょう。では、行政代執行によってゴミ屋敷住民が負うことになる3つのデメリットをご説明して行きます。

(1)強制撤去の費用を請求される

ゴミの撤去費用は、一時的に自治体が肩代わりしてくれます。しかし、自治体が業者に支払うお金は税金です。個人のゴミを片付けるのに税金を投入することはできません。一旦は自治体が肩代わりしてくれるものの結果的にゴミの撤去費用はゴミ屋敷住人に請求され支払うこととなります。さらにこの際の撤去費用ですが、相場と比べるとかなりの割高なようです。

2015年京都市右京区で全国初のゴミ屋敷行政代執行が実行されました。このとき自治体の職員は6年の時間を費やしゴミ屋敷に126回訪問、61回接触し支援や指導を行ったそうです。しかし、住民は改善せず命令にも従いませんでした。行政代執行が実行され数百万円の費用がゴミ屋敷の住人に請求されたといわれています。(金額は発表されていません)
出典:産経新聞

2016年全国で2例目の行政代執行は福島県郡山市で行われました。このとき、ゴミ屋敷住民には200〜300万円が請求されたようです。しかも、行政代執行後も住民はゴミを溜め続けてしまい最終的に火災を起こし死亡するという悲劇で終わっています。
出典:福島県ホームページ

2020年愛知県蒲郡市では69歳の男性宅に対し行政代執行が実行されました。2年間で30回以上の指導や勧告がなされましたが、改善の余地がないとの理由で実行され男性には400万の請求がされました。
出典:東愛知新聞

行政代執行で請求される金額は一般的なゴミ屋敷片付け業者に比べ高額です。しかも、行政は強制的に費用を徴収するこが認められているので支払いを無視すると財産の差し押さえが行われます。

(2)財産を差し押さえられる

強制的に費用を徴収するこが認められている行政に対し支払いができないなどの理由は通りません。例え自己破産したとしても税金と同様返済が免除されることはないので回収から逃れることができません。最終的には財産の差し押さえが実行されます。差し押さえられると予想されるものは、不動産を差押えて公売(行政による競売)・預貯金・株式・車・給与の手取りの四分の一など財産そのものです。

(3)氏名が公表される

行政代執行が決まると条例に基づきゴミ屋敷住民の氏名と住所を公表されます。2018年神奈川県で行われた行政代執行である男性が氏名を公表されました。新聞にも行政代執行の様子が掲載されメディアも駆けつけました。多くの人に個人情報が晒され、良くない噂が立ち、ニュースやネットで公開されてしまいます。

その結果、住みづらさを感じ引っ越しなどをする場合もあるようです。しかし、一度拡散されてしまった情報は消えません。遠く離れた場所に引っ越したとしても情報とういものは残り続けるのです。

行政代執行はすぐに決まるものではありません。地域住民からの申し出、調査を受けてから行政代執行までの期間を条例では設けていません。自治体が慎重に調査をし、何度もゴミ屋敷に足を運び、住民に根気よく支援・指導を行います。結果的に何年もかかって執り行われることが多いようです。

条例が制定されてない場合

ゴミ屋敷条例が制定されてない自治体はまだまだあります。条例が制定されていなくても相談することはできます。

マンション・アパートのゴミ屋敷

管理会社や大家に相談しましょう。直接、ゴミを片付けてほしいと本人に言うのは勇気も必要ですしトラブルも招きかねません。まずは管理会社・大家に相談することをおすすめします。

地域住民のゴミ屋敷

役所に相談に行きましょう。条例がないので強制的な指導や撤去はできませんが改善するよう訪問してくれます。また、住民も自治体の重い腰を上げるため積極的に意見を出す必要があります。

警察・消防に相談する

ゴミ屋敷は民事になるので警察は介入しないのですが相談することはできます。ゴミ屋敷は不法投棄や放火のリスク、失火の恐れもあり犯罪に繋がりやすいと考えられます。そのため、警察や消防に相談し周辺の見回り強化、何かあればすぐに対応できるよう要請することが重要です。

行政を頼るとデメリットも多い

行政に頼ることは悪いことではありません。自分一人ではどうしようもなくなり相談する人もいないとなれば行政に頼りたくなる気持ちもわかります。職員にもよると思いますが親身になって相談を受けてくれる方もいます。例えば、小さなワンルームのゴミ部屋なら、職員も一緒になって片付けをしてくれ軽トラックまで出してくれるケースもあります。

しかし、職員によってはただ指導するだけの場合もあります。自分一人ではどうしようもできないのに、ただ、片付けなさいと指導されても片付けようがないですよね。行政に業者を紹介してもらったとしても、一般的なゴミ屋敷業者に比べると高額な請求をされ、何度も訪問されると周囲の人にも訝しまれ、ゴミ屋敷になっていることが知られる可能性も高いといえます。

ゴミ屋敷の片付けはプロにお任せ

ゴミ屋敷を片付けたいと思ったら業者に依頼するのことをおすすめします。ゴミ屋敷、ゴミ部屋を個人で解決するにはほぼ不可能でしょう。ゴミの分別も難しく、物によっては指定されたゴミ捨て場まで自分自身で運ばなければなりません。

私たちエコフレンドリーにお任せ頂ければ、お客様のお悩みも一緒に解決させて頂くという気持ちでご依頼をお受けします。ゴミ屋敷・ゴミ部屋の問題はたくさんの方が同じ悩みをお持ちです。見られて恥ずかしいという気持ちも理解できますが、私たちにとっては見慣れた光景、日常的なことです。恥ずかしいなど思う必要はありません。

今まで多くのお客様のお手伝いをしてきました。何より大切なことは、ゴミ屋敷を片付けたあとの暮らしを想像すること、精神的苦痛から解放されることです。一歩踏み出すことで人生が大きく変ったお客様をたくさん見てきました。そして、そのお手伝いができる喜びを私たちは知っています。エコフレンドリーサービスは勇気を出して一歩踏み出すお客様を全力でサポートします。

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