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他人ごとじゃない!社会問題化するゴミ屋敷の背景にある悲しき実態

2022.12.19

ゴミ屋敷片づけ

多くの人が「ゴミ屋敷を作る人はだらしない」、「精神的な病気を抱えている人がゴミ屋敷になりやすい」と思っているかもしれません。確かにゴミ屋敷は、近隣トラブルや環境トラブルに繋がる深刻な問題です。

これだけ問題になっても後を絶たないゴミ屋敷。500軒の家が集まれば2〜3軒はゴミ屋敷、もしくは汚部屋があるともいわれています。なぜ、ゴミ屋敷は次から次に出現してしまうのでしょう。そこで今回は、ゴミ屋敷の背景にある社会問題をお届けします。

ゴミ屋敷が訴える社会問題

ゴミの山

ゴミ屋敷を作ってしまう理由は「時間がない」、「片付けが苦手」、「掃除が億劫」だけではありません。ゴミ屋敷が抱える問題はとても深刻なものです。どのような社会問題が潜んでいるのかみていきましょう。

(1)孤立・孤独(高齢化社会)

高齢化社会にともない独居老人が増えつつあると同時に高齢者のゴミ屋敷問題も増加しています。この背景には高齢者の孤立・孤独という問題があります。

頼れる家族・親族が近くにいるのなら寂しさを紛らわすことができるのかもしれませんが、そのような親族がおらず近所付き合いもない、健康状態が良くない、社会活動に参加していないと地域とのつながりが希薄になり孤立・孤独を余儀なくされてしまいます。そのような環境からゴミ屋敷にも繋がる可能性があります。

高齢者の家がゴミ屋敷になってしまう要因

  • 高齢になると体力・筋力が落ち重いゴミを回収場所まで運ぶことが難しくなる
  • 体力が衰えることで自然とやる気がなくなり掃除をしようという意欲がなくなる
  • 認知症の進行によりゴミを認識できない、ゴミ出しの日を忘れてしまう
  • 物に囲まれることで孤独感を紛らわすことができる

高齢者の孤立は、ゴミ屋敷問題だけでなく「生きがいを失う」、「消費者トラブル」や「犯罪」「孤立死」など、社会的に大きな問題も招くこととなります。

(2)セルフ・ネグレクト

セルフ・ネグレクトとは「自己放棄」、「自己放任」とも呼ばれ、自身の心身が生命に危機、生活環境が脅かされる状態にあっても改善しようとしません。近隣や地域の人々との付き合いを拒み、自分自身が周囲からどのように見られているかすら無関心になってしまうのです。

セルフ・ネグレクトについて内閣府が2011年に全国の市町村に調査した結果、およそ1万1000人と推計されています。(4割の自治体が解答せず実際はもっと多いのではないかと推測されます)全国での孤独死は65歳以上がもっとも多く年間2万人以上が孤独死しており、その8割以上がセルフネグレクトではないかと考えられています。

セルフ・ネグレクトになってしまうと何に対しても気力が湧かずゴミを捨てることもありません。必然的にゴミは溜まる一方です。ゴミ屋敷はあっという間に完成してしまい不衛生な環境のなかで暮らすこととなります。ゴミに埋もれて孤独死していたという状況が後を絶たないとのことです。

セルフネグレクトは自覚がないまま進行し少しずつ悪化していきます。ゴミをゴミ箱に捨てるのが面倒でゴミを放置、服を着替えるのが億劫で何日も同じ服を着る、お風呂・シャワーを浴びる気にならなくて入らないなど。高齢者に多いといわれるセルフ・ネグレクトですが現在は若者にも多く大きな問題となっています。

ゴミを生み出しやすい社会

(1)ごみが堆積しやすい環境

2009 年11月に放映された NHK のドキュメンタリー番組でゴミ屋敷問題が取り上げられました。若者のゴミ屋敷(ごみマンション・ごみアパート)が増えていることが放映され誰もがゴミ屋敷を作り出してしまうことを訴える内容で多くの反響を呼びました。ゴミ屋敷になってしまう背景は複雑なのですが、ゴミを堆積しやすい環境があるのも確かです。

現代は日本中、いたるところにコンビニがあります。インターネットの普及により通信販売やネットショップも増え流通が活性化しています。日用品、趣向品、食品など生活に必要なすべての物を家にいながら気軽に、しかも安価に購入でき若者の多くが活用しています。そうなるとゴミも必然的に増えていきます。便利な世の中になると同時にゴミを生み出しやすい社会にもなっています。

(2)分別が複雑

気軽に物を購入できる便利な世の中ですが、その便利さと引き換えにゴミを多く出してしまうのも事実です。そのゴミを少しでも減らそうと、エコ活動や持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)が推進されています。環境に配慮された活動は素晴らしいのですが、ゴミを捨てるには複雑な分別が要求されています。

ゴミの分別は大きく分けて4つです。

・もえるゴミ

・もえないゴミ

・資源ごみ

・粗大ゴミ

単に4つに分けるだけなら簡単なのですが自治体によって細かいルールがあります。

例えば、大分県のある町では、弁当の容器やレジ袋、卵等のパック「容器」や「包装」などのプラスチックと、タッパー、プラスチック製のプランター、歯ブラシなどのプラスチックは分別が必要。

ペットボトル1本捨てるにも、金属製のキャップはもえないゴミ。ペットボトルのキャップは市役所、各出張所などで回収。ペットボトルのキャップ以外のプラスチック製のふた、汚れのひどいペットボトルのキャップ、ペットボトルのラベルはもえるゴミなど。さらに、ペットボトルや缶、瓶などはキャップを取り外水洗いしてラベルも剥がして捨てなければならない場合もあります。

徳島県のある街はなんと分別方法が45種類もあるそうです。他にもゴミを捨てるには指定されたゴミ袋を購入しなければならない自治体もあります。ゴミを捨てるという行為がどんどん難しくなっているのも事実ですが環境を守るため、豊かな地球を守るためにも分別は正しく行わなければなりません。そのために自治体は捨てやすい、販売する側は分別しやすい工夫も必要となるのではないでしょうか。

【まとめ】

掃除する男性(レゴ)

ゴミ屋敷を個人で解決するというのはほぼ不可能です。孤立・セルフ・ネグレクトにもなると福祉との連携、自治体・行政の介入、専門的な知識が必要になるなど、単にゴミを片付ければ解決できるという問題ではなくなっています。しかし、ゴミを捨てないことには前に進むことができません。エコフレンドリーサービスでは独居老人、セルフネグレクトで作ったゴミ屋敷の片付け実績も豊富です。

プロフェッショナルとしてゴミの回収および法律に従った運搬・破棄を行っています。プロとして築き上げてきた知識・技術・信頼でどんなお悩みやご相談にも、ワンストップで親身にお手伝い致します。

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